2017-12-26

LGBTセグメントは儲かるらしいとか。

同性愛男性のカップルが全国各地から集い、テニスのダブルスでトーナメント戦を繰り広げるというイベントがありました。私は当時(15年程前の時代性です)、あるご縁でこの大会の打ち上げパーティーをお手伝いする機会があり、200名程の中年ゲイが一同に会する光景を図らずも観察することとなりました。この会場で修学旅行のようにはしゃぎ、心の底からの笑顔を隠さないゲイの中年男性達を目の前にしたならば、一般の常識的な方は自らの首筋あたりに何か強張るものを感じるかもしれません。「キモイ」とか「サムイ」とか貧弱な言葉をつい口にしてしまうかもしれません。宴の後に展開されるであろう暗がりで蠢くような連想を振り払いたくなるのも、まぁ自然なことでしょう。私はと言えば本当に嬉しそうなゲイの中年男性の皆さんを見ていて楽しくもありましたが一方では物悲しさを感じていました。200名程の中にはドラァグクイーンのコスプレをしている人やマドンナのバックダンサーのような風体もいて、そうした分かりやすい人はカミングアウトした後に自らの生活が脅かされない状態にあるほんの一握りのはずです。ほとんどはフツーの、本当にフツーの紳士的な中年男性でした(ただ、お肌のお手入れや体型維持の意識は行き届いている印象)。年に何度か遠方に住む恋人と第三の地で落ち合い、社会的な立場や義務から開放されたクローズドな場所で誰の目も気に留めず束の間の逢瀬に恍惚する。明日の朝には誰かの夫、誰かの父親、誰かの息子、誰かの兄、誰かの上司、誰かの同僚、誰かの先生、誰かの〜を繕い、いつもの顔でそれぞれの地元に溶け込んでいく。

ところでLGBTマーケティングって誰が言い出したんでしょう。昨今テレビをつければ所謂オネェタレントや女装タレントの活躍を見ない日はありませんし、海外ではアスリートや大物政治家、グローバル企業のCEOがカミングアウトするなど(漂白された感は否めませんが)存在感は獲得しています。LGBTは知的水準が高く富裕層が多いという説(ホントかよ)も、知的水準については経験値からの含蓄や生存のための最適化として分からなくもないです。私の知人にも数名いますが彼らは頭の回転が早く感度や美意識が高い、気配り上手(だからこそカミングアウト後の生活をタレント的に営めているという考えも)。どこかの会議室で「これからはダイバーシティで押して行きましょう!」などとのたまう自称専門家は多いし、乗っかる担当者もまた茶碗の中。LGBTが特異な消費行動をする人たちなわけないし、普通の消費者ですよ。さらに言えば人間誰しも程度の差はあれ特殊なセクシャリティは抱えている(顕在か否か、分別しやすいか否か、あるいは正直か否か)。この、わざわざ大げさに事象を切り出し言葉をトレンド化するのは(発達障害とかマタハラ、イクメン、草食、ポリティカルコレクトネス、保守化する若者(トホホ)しかり)、社会に有用な喚起や提言であると同時に、単にビジネスに活用出来るコンテンツとしてフランチャイズ化を目論むスノッブな広告屋さんの仕掛けだったり。もう下手な魂胆、慇懃無礼な態度は見事に可視化される時代ですよ旦那衆。カミングアウトせずに息を潜めている人が多数だとすれば、LGBTマーケティングなんて真っ先に避けます。ダイバーシティを謳うなら、相応の覚悟を持って定義して見せて欲しいものです。あわせてハラールマーケティングとやらの斡旋も失礼すぎやしませんか。きちんと敬意を払うなら静かなPRで十分に届くと思いますよ。

p.s.

2017年も大変お世話になりました。皆さまにおかれましてはどうぞ良いお年をお迎えください。
新しい年が皆さまにとって素晴らしい一年となりますように。

 

 

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